歯周病で歯を失った方へのインプラント
ご存知の通り、歯科の二大疾患は虫歯と歯周病です。インプラントは、当たり前ですが虫歯にはなりません。では、インプラントは歯周病になるのでしょうか?
残念ながら、答えは「Yes」です。
機能しているインプラントは数年後に歯周病になってしまうことがあり、それは「インプラント周囲炎」と呼ばれています。
インプラント周囲炎というのは新しい疾患であり、世界中の研究者や臨床家が克服しようと奮闘しています。
まずは、ならないようにすることが大切です。
近年の研究では、“インプラント周囲炎になる人は、残存歯の歯周病治療が不完全な場合が多い” (Cho-Yan Lee et al. Clin Oral Impl Res 2011) ということが明らかになってきました。
つまり、歯周病で歯を失った方がインプラントを行う場合、以下の2つが重要になってきます。
- 残っている歯の歯周病治療を完全にしておくこと
- 定期的なメインテナンスを行い、インプラント周囲炎の予防をすること
インプラント治療
ケース:進行した歯周炎を患った方に対するインプラント症例①
27歳 女性
初診時には、すでに非常に歯周病が進行しており、残念ながら前歯の3本は抜歯せざるをえない状態でした。
また歯列不正が歯周病の進行に影響を及ぼしていることが明らかでしたので、矯正治療も行う事になりました。
天然歯を歯周治療、矯正治療を行い維持し、抜歯した歯に対してはインプラント治療を行いました。
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初診時は、前歯・奥歯に重症な歯周病と歯列不正が診られました。
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初診時のレントゲン写真です。
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矯正治療と歯周治療の途中経過
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歯周病と歯列が良くなってから、インプラント治療
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治療後 2年経過 定期的なメンテナンスを行っているため、歯周病の再発もなく良好
ケース:進行した歯周炎を患った方に対するインプラント症例②
43歳 女性
上の前歯は保存が不可能な状態まで歯周病が進行しており、奥歯(第2大臼歯)は噛み合わせの不正から過剰な力を受けており、保存が難しい状態でした。下顎の前歯にも歯列不正が見られます。
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当院に初めて来院された当時の状態です。
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初診時のレントゲン写真です。
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極力多くの歯が保存する治療計画を立てましたが、残念ながら上顎前歯は保存する事が出来ませんでした。インプラント埋入に先立ち仮インプラントを使用し治療中の審美と機能の維持を図ります。
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抽出から8ヶ月後
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下歯列矯正
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仮インプラントを外しインプラントを埋入。
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治療途中経過のレントゲン写真
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インプラントを埋入し4年が経過。